Propagation and one-to-many matching HowTo

技術情報:翻訳自動反映と複数訳文

はじめに

この技術情報では、OmegaT の翻訳自動反映機能と複数訳文機能について説明します。

自動反映

OmegaT はデフォルトで、翻訳自動反映機能を使用します。このことは、ある分節を翻訳したらすぐに、同じ原文の分節に訳文が挿入されることを意味します。ある分節が翻訳済みで、そのあとに出現する同一の分節で訳文を変更した場合、変更された訳文が先にあった分節にも適用されます。複数回出現する分節は、OmegaT では「繰り返しのある分節」と呼ばれます。

[表示]→[繰り返しのある分節を色づけ]を選択すると、最初に現れる繰り返しのある分節のみが黒字で表示され、その後の繰り返し分節は灰色で表示されます。これは、訳文をチェックする際に有用です。最初に現れた分節のみをチェックすればよい場合があるからです。ユーザーは、灰色の分節がチェック済みであることがすぐにわかります。([設定]→[表示]→「繰り返しのある分節を色づけする場合、最初の分節を含む」を選択した場合、最初に現れる分節を含めたすべての繰り返し分節が灰色で表示されます。)

複数訳文(バージョン 2.5.0 以降)

ほとんどの場合、プロジェクト内の同一の分節は同じように翻訳することを翻訳者は望みます。複数の同一分節に別々の訳文を与える必要がある場合のために、OmegaT は「複数訳文」機能を提供します。

この機能では、同一分節は同じ訳文になることを当初想定します。これを「既定値訳文」と呼びます。「既定値訳文」とは違う訳文を作成するには、対象分節内でマウスを右クリックし、「新しい訳文を登録」を選択します。そうすることにより、この分節に新しい訳文を登録しても、別の同一分節が自動的に変更されることはありません。

同一分節に対して、「新しい訳文」をいくつでも登録できますが、既定値訳文は 1 つ(またはゼロ)しか登録できません。

新しい訳文を既定値訳文にしたい場合は、マウスを右クリックして「既定値訳文として使用」を選択します。これによって、現在の分節の訳文が既定値訳文になります。以前の既定値訳文だった同一分節はすべて、新しい既定値訳文に置き換わります。

ある分節の「新しい訳文」を「既定値訳文」に戻したい場合は、単に訳文を削除してください。これにより、分節は「新しい訳文」ではなくなり、「既定値訳文」の状態になります。分節の訳文を完全に削除するには、キーボードで Ctrl+A、Ctrl+X、Enterを押すか、マウスを右クリックしてメニュー項目「訳文を削除」を選ぶか、または単に Delete キーを連続的に押します。

注記)3.5.3 以降のバージョンでは用語が次のように変わりました。
「既定値訳文」は「基本訳文」に、「新しい訳文」は「例外訳文」に読み替えてください。

翻訳自動反映および複数訳文コマンドのまとめ

設定なし(初期挙動):すべての同一分節が同じように翻訳されます。

繰り返しのある分節を色づけ:同一分節が灰色で表示されます(表示が変わるだけで挙動は変わりません)。

新しい訳文を登録:繰り返しのない分節として扱います。この分節を変更しても、他の分節や「既定値訳文」に影響しません。

訳文を削除:分節の内容を削除します。さらに Enter を押すと、既定値訳文が挿入されます

既定値訳文として使用:現在の分節の訳文が、既定値訳文となります。以前の既定値訳文は、すべて新しい既定値訳文に置き換わります。

留意点

OmegaT は、一部のファイル形式に関して、 前後の分節を使用して分節を特定します。したがって、「新しい訳文」を登録するには、同一分節であっても前後の分節が異なることが前提となります。2 つの同一分節が、前後の分節も含めて同じである場合(たとえばテキスト中で 1 ページ全体の繰り返しがある場合)、OmegaT は両分節に異なる訳文をあてることができません。つまり、いずれかの分節を「新しい訳文」にすることはできません。

「繰り返しのある分節」は、既定値訳文と新しい訳文の両方に対応します。したがって、新しい訳文が登録されているかどうかにかかわらず、繰り返しのある分節は灰色の字体で表示されます。

初期設定では、コマンド[次の未翻訳分節](Ctrl+U)によって、自動反映された訳文をスキップして次の未翻訳分節へ移動します。ただし、[設定]→[翻訳入力行]→「既定値訳文と違う新しい訳文がある場合[次の未翻訳分節]でその訳文へ移動する」が選択されており、かつ繰り返しのある分節のなかで新しい訳文が1 つでも登録されている場合、この移動機能(Ctrl+U)は、同一分節が既定値訳文かそれとも新しい訳文かを問わず、すべてを未翻訳として取り扱います。つまり、スキップはしません。

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